2022年4月入学の「図書館サービス概論」レポート解答例になります。
文章の構成など、少しでも参考になればと思います。
*注* 解答例の丸写し提出は大学より禁止されていますので、参考程度に留めて下さい。
「図書館サービス概論」レポート設題
身近な公共図書館(都道府県より、市町村立が望ましい)を観察し、このテキストに書いてあることと比較しつつ、その図書館の特徴を述べ、またあなたの具体的で実現可能な希望を列挙してください。
*「レポート作成上の留意事項・ポイント」、「総評基準についてのメッセージ」にも、レポート作成のヒントがありますので、レポート作成前にも後にも読むことをお勧めします。
「図書館サービス概論」レポート解答例
1.序文
◯◯市にある◯◯市立図書館および◯◯市図書館全体について調査した。◯◯市には◯つの市立図書館があり、そのうち中央図書館の機能を有しているのが◯◯市立図書館である。
2.蔵書数、貸出数
◯◯市の人口一人当たりの蔵書冊数は◯冊、貸出数は◯冊である(2020年)。県内に同規模自治体がないため、他県で◯◯市(約◯万人)の人口同規模自治体と比較する。
◯◯市の人口一人当たりの蔵書冊数は◯冊、貸出数は◯冊。
◯◯市の人口一人当たりの蔵書冊数は◯冊、貸出数は◯冊。
同規模自治体と比較すると、◯◯市は、蔵書は多いが貸出数が少ないことがわかる。
3.基本的なサービス
貸出には利用者登録が必要である。貸出カードは市内の市立図書館共通で利用でき、どの館で返却してもよい。借りられる資料の数は10冊(視聴覚資料含む)、期間は2週間である。コロナ禍の今、15冊に増やし対応されている。予約がない場合のみ延長が可能であり、登録すればホームページにて延長が可能となる。返却は、各館返却口の他、市内の商業施設や市役所、駅などに図書館返却ボックスが設置され、日常生活の中で返却することができる。また市内の小中学校、保育園・幼稚園等を対象に、1回100冊までの団体貸出サービスを行っている。
複写サービスは、著作権法範囲内での図書館所蔵資料(オンラインデータベース含む)の複写が可能である。データベースでは、官報情報検索サービス、国立国会図書館「デジタル化資料送信サービス」が閲覧できる。
リクエストサービスは、他館所蔵資料・貸出中資料・未所蔵資料を対象に、1人あたり10件まで可能である。方法としては図書館カウンター、館内OPAC、インターネットでリクエストする事ができ、受け取る図書館を指定することもできる。
相談のためのレファレンスカウンターがあり、所蔵調査、読書相談など、調べ物に対する相談に対応している。
◯◯歴史講座など文化・集会活動にも精力的である。特に興味を惹いたものとして、「△△大賞」がある。◯◯市の△△製造販売の株式会社「△△」が社員教育の一環として、毎年実施している。◯◯市立図書館にて従業員10人が各作品をプレゼンし、来場者に△△大賞を予想してもらう公開発表会を開いている。社会教育支援と文化活動の両面において有益な活動であり、図書館と地域の結びつきが覗える。
4.対象別サービス
子ども読書支援サービスに力を入れており、生後3ヶ月〜3歳未満の子供と保護者を対象にブックスタートが導入されている。また、市内小・中学校、保育園、幼稚園等を対象に、図書館訪問で施設見学、利用案内、読み聞かせ、ブックトーク等が行われたり、逆に学校訪問をして、司書による読み聞かせ、おはなし会等が行われている。これらは課題解決支援サービスの一端を担っている。
また館内は車椅子でも安心して利用できるようユニバーサルデザインになっている。その他、◯年に移動図書館の2台目が導入され、遠方の利用者に対しても図書館サービスが行き渡るよう活動している。また、◯年から郵送貸出サービスを開始しており、外出が困難な利用者に対して、利用負担を減らすサービスがなされている。このように、地域や身体状況(高齢、障害)によって図書館利用の格差がおきないよう、取り組みがなされている。
5.結論
市立図書館の貸出冊数、貸出者数は増加傾向ではあるが、◯◯市の図書館利用は、人口同規模自治体と比較すると低位水準となっている。図書館利用者を増やすには、上記の基本的サービス・対象別サービスに加え、広報活動も重要である。レファレンスサービスなど図書館利用を実体験する講習会を定期的に開催してほしい。また、市立図書館は中央図書館として文化遺産である「□□」を所蔵し、約◯千冊の郷土資料を有している。ところが「地域資料コーナー」は設けられておらず、「参考図書室」として二階に配置されているのみである。目にとまる一階にコーナー化し、利用者が接する機会を増やし、地域の歴史・文化の継承にさらに寄与することが期待される。
◯◯市立図書館は、◯年からリニューアル工事が開始され、◯年に開館予定である。リニューアルに当たり、「◯◯市立図書館リニューアル事業基本構想」が打ち出され、市民が本を読む、借りるだけでなく、集い、学習し、交流し、課題解決等を行うことのできる、「市民とともに成長する図書館」を目指すことが明示されている。基本理念として、「市民の成長」に寄り添う図書館、「市民の誇りと愛着」の促進、「市民の交流」、「市民生活の満足感」、「市民一人ひとりに届くサービス網」の形成、の5本柱が掲げられている。所蔵する多くの資料や情報を生かし、中央館として市民の多様な図書館利用を促し、より豊かな暮らしや文化、地域社会の発展へ持続的に寄与することを期待したい。リニューアル開館が今から楽しみである。
参考文献
◯◯市市図書館ホームページ HPアドレス
◯◯市図書館だより
◯◯市立図書館リニューアル事業基本構想
講評
◯◯市立図書館のことがよく調べられています。
ご希望が実現するよう、働きかけてみてください。
さらに他館を訪れ、相違点を考えてみてください。
感想
「図書館概論」と並列してレポート作成をすると効率的だと思います。ただ私の場合は、「図書館概論」でインタビューした図書館が、中央館ではありませんでした。なるべく中央館を、とのことでしたので、改めて中央館について調べて記述することになってしまいました。最初から把握できなかったのが残念です。ただ、2つの図書館を調べたことで違いを発見することもできました。こうやって調べようと思う機会がないだけに、面白かったです。他県の図書館についても調べてみようと思うきっかけになりました。
この「図書館サービス概論」のレポートは、インタビューなしで作成しました。レポートの中でも記述しているとおり、地元の中央館がリニューアル工事となったため、調べられることに限りがありました。ただ、リニューアル工事に向けて市が発表している構想にたどりつき、そこに書かれている情報を参考に記述することができました。もしくは、隣の市について書いてもよかったかもしれません。
人口同規模自治体との比較については、自分の住んでいる市の人口を調べ、全国市町村の人口ランキングなどで、人口の近い市町村を検索しました。前後5つ程度の市町村の市立図書館(中央館)を検索し、人口一人当たりの蔵書冊数、貸出数が記載されているものを採用しました。公表されている年度が違う場合は追記しました。複数を調べると、私の住んでいる市の図書館は「蔵書は多いが貸出数が少ない」という特徴があることがわかったので、そこについて記述しました。
また、講評に記載はされていませんでしたが、ウェブサイトを閲覧した場合は、URLと最終閲覧日を記入する必要があります。また私は記述漏れしております。皆さんもご注意下さい。

「図書館サービス概論」を学んで、具体的な図書館のサービスについて知りました。「図書館概論」同様、最初に学ぶとよい内容だと思います。ここで「ヤングアダルト」という言葉を知りました。
図書館が地域社会発展の場として持続的にあり続けるには、開始点として市民が利用しやすい図書館を作ることが必要です。始まりは対象別サービスを強化することかなと思いますが、最終的には地域につなげていきたいところです。
市民が利用しやすいとは?実現するにはどのようなサービスの工夫があるのか?個から集となるにはどうすべきか?など、考えるきっかけとなりました。
レポート作成で意識したこと、書き方については、こちらにまとめています。
随時更新していこうと思います。わかりにくい点や修正すべき点などがあれば御指摘下さい。
よろしくお願いします。